永瀬清子の世界
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#89「あけがたすこし癒える私」
3 minutes Posted Dec 8, 2025 at 8:35 pm.
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仕事をどうにかやり遂げて、疲れて泥のように眠る中で見た夢。「それはこわい夢だった」と、まるで自分の疲れや不安が作り上げたかのような夢でした。「現実の私なら絶対に云えぬこと」を言ったがために、はげしく後悔をしてしまいます。「まるで目もくらむ首との取引」、「誰にも助けて貰えないのに」など読んでいるだけでも身につまされます。ところが「私」は、こうした夢を見たことを、「夢が私をきっと治癒した」と肯定的に解釈し、その一方でまだ夢に引きずられるかのように「すこし癒やされて」いることで自分を失っているかもしれないとの疑問を持ちつつ、新しい一日を迎えようとするのです。いつも新鮮な気持ちで過ごそうとする「私」と、その背後には「こわい夢」をみるほど疲れた「私」はどちらも「私」であることを、光と影すなわち朝と夜にたとえており、「私」のすべてを肯定しているように感じられます。<文・白根直子>