Show notes
弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、最近の株式調整は反転というよりもリセットである可能性が高い理由と、投資家が次の機会を見いだせる場所について解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、過去数週間の株式調整局面で注目すべき投資機会についてお話しします。このエピソードは6月15日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。市場が方向性や主導役を変えるのは、ストーリーが崩れたからではなく、ストーリーがあまりに速く進展したため、それを消化する時間が必要になるから、ということがあります。過去数週間、株式市場は3月の重要な底打ち以降で最大の調整を経験しました。ただ、私はこれを強気相場の終わりとは見ていません。今年、株価を押し上げてきた2つの主要な要因、すなわち業績修正と流動性が、持続不可能なペースで加速した後の一服だと捉えています。私の見方では、市場が疑問視しているのは業績主導の強気相場そのものというよりも、業績見通しが上方修正されるスピードです。こうした修正は半導体のような主導セクターで特に力強く、その半導体が最も大きく調整しました。業績修正の幅が70%を超えてくると、改善ペース、つまり二次微分がそろそろ鈍化するのではないかと考えるのは自然です。これは業績予想が下方修正されるという意味ではありません。むしろ、改善の勢いがピークに達しつつある可能性が高いということです。市場では、成長の二次微分が常に重要になります。こうした減速は、暴落ではなく調整を生みます。この違いは重要です。業績修正の幅は極端な水準から一服したり、反転したりするかもしれませんが、今後1年の業績予想は、年内を通じて、そして2027年の数字に向けてロールフォワードするにつれて、なお上昇する可能性が高いと見ています。だからこそ、今後数週間は不安定な相場展開が続くとしても、弊社の年末のS&P 500目標値8,000に引き続き確信を持っています。業績ストーリーが崩れないまま市場が調整することはあり得ます。実際、健全な強気相場がリセットする時には、まさにそうなることがよくあります。今回の調整のもう一つの要素は流動性です。今年前半、金融安定を取り戻す手段として、流動性は金融システム内に力強く流れ込んでいました。FRBのリザーブ・マネジメント・プログラム、銀行の資本要件の緩和、そして財務省の国債買い戻しを合わせると、実質的に5,000億ドルを超える流動性が供給されました。しかし、そのペースはいま鈍化しています。リザーブ・マネジメント・プログラムは4月の月およそ400億ドルから、現在はおよそ100億ドルへ減額しています。一方で、財務省による買い戻しも3月と4月の高水準から減速しました。この変化率の鈍化は、とりわけ潤沢な流動性に支えられて活発に行われてきたモメンタム取引にとって、限界的には重要です。こうしたモメンタムの調整には注目してください。なぜなら、それはしばしば相場の主導役の交代をもたらし、そこに本当の投資機会があるからです。今年はすでに、貴金属・ベースメタルからレアアース、エネルギー、そして最終的には半導体へと、いくつかの主導役交代が見られました。今、市場は再び広がりを見せる準備が整いつつあるのではないかと考えています。去年 昨年末や今年最初の6週間に見られた動きに似ています。重要なのは、弊社が選好している一般消費財、運輸、地方銀行の各セクターが、過去1カ月でいずれも10%を超えて上昇している一方、S&P 500は小幅に下落していることです。それでも、これらの分野に対するセンチメントはなお低調です。これはまさに私が好む環境です。ファンダメンタルズは改善し、相対的な値動きも良くなっているにもかかわらず、投資家はなお懐疑的なのです。この広がりを後押ししそうな要素がもう一つあります。低クオリティの景気循環株の重しとなってきたマクロ変数、すなわち金利、原油、ドルは、いずれもピークを迎えつつある可能性があります。これは、昨夜発表されたホルムズ海峡の再開に向けた合意ともよく整合します。原油価格への圧力が和らぎ、債券市場が現在織り込んでいるFRBの利上げを巻き戻せば、金利敏感セクターには最近のアウトパフォームをさらに伸ばす余地があるはずです。最後に、今週のFRB会合も重要です。ケビン・ウォーシュにとって議長として初めての会合だからです。私は政策金利の決定そのものよりも、債券市場がどのように反応するかに注目します。私にとって重要な目安はこれまでと同じです。10年債利回りは4.5%、そして債券のボラティリティと資金調達市場のストレスは落ち着いた状態を維持する必要があります。イラン合意が維持されるなら、FRBは金利に関してタカ派姿勢をやや弱めることができると思います。ただし、流動性をさらに追加するという積極的な方針転換までは見込んでいません。結論として、市場は成長加速と流動性の変化率がピークに達したことを消化してきました。しかし、それはサイクルの終わりとはほど遠いものです。業績主導の強気相場はなお崩れていませんが、主導役は変わりつつあるのかもしれません。いつものように、最良の機会は、投資家がまだ信じていない場所に隠れている可能性があります。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。



