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弊社の公共政策リサーチ責任者、アリアナ・サルバトーレが、トランプ大統領と習主席の会談で主な議題となる台湾、関税、そしてイラン紛争について解説します。このエピソードを英語で聴く。 トランスクリプト 市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。 本日は、弊社公共政策リサーチ責任者のアリアナ・サルバトーレが、今週予定されている米中首脳会談を前に、どのような点が注目されるのか、そして投資家は何に目を向けるべきかについてお話しします。 このエピソードは5月13日 にコペンハーゲンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。今回の首脳会談は重要ではあるものの、目に見える進展への期待は比較的控えめにしておくべきだと弊社は考えています。会談に先立つ主要メディア報道によれば、協議の中心となるのは、通商、台湾への武器売却、米国とイランの問題です。全体として、弊社の基本シナリオは、現行の休止状態が維持され、一部で限定的な緩和が見られるというものです。これは中国のリスク資産に対して一定の上昇余地を支えるには十分かもしれませんが、リスク・プレミアムを大きく見直すうえで必要となるような本格的打開には届かない可能性が高いとみています。まず通商から見ていきましょう。この分野の議論は、構造的な政策転換というよりも、第1段階合意のような形式のコミットメントに傾く可能性が高いと弊社は考えています。例えば、農業や航空宇宙といった分野での中国による追加購入や、通商・投資に関するハイレベルな約束が含まれる可能性があります。あるいは、両国の競争関係の構図そのものは変えないまま、協調姿勢を示すために、重要分野で限定的な関税緩和が打ち出される可能性もあります。一方で、首脳会談を前に、米国側が一方的に大幅な関税引き下げに踏み切ることは想定していません。中国には今なお実効関税率でおよそ30%の負担がかかっています。また、今年前半に連邦最高裁判所がIEEPA関税を無効とした際には、すべての貿易相手国の中で中国が最も大きな恩恵を受けました。弊社が当時指摘した通り、その結果、中国の実効関税率はおよそ7%ポイント低下しました。第二に、現政権は、中国に対して他の貿易相手国よりも高い関税水準を維持することを、戦略上の重要課題と引き続き位置づけていると弊社は考えています。言い換えれば、政権は、中国と、欧州、日本、韓国といった他の通商同盟国との間に、ある程度の構造的な区別を維持する方針をとっているように見受けられます。したがって、首脳会談の前後に大規模な関税リセットが行われる可能性は低いとみています。台湾についても、意味のある政策変更の余地は限られていると弊社はみています。トランプ大統領は最近の発言で台湾への武器売却に言及していますが、長年にわたる米国の政策上の前例から大きく踏み出すには、中国側による大幅な譲歩が必要になると考えられます。3つ目の議題は、イラン紛争とホルムズ海峡です。首脳会談を前に、ホルムズ海峡の再開通は最も不確実性の高い論点になる可能性があります。この点について米国がどの程度、中国に協力を求めるのか、そしてその要請が受け入れられるのかどうかは、依然として重要な不確定要素です。ただし、ここには注意深く見ておくべきテクノロジーの側面もあります。報道ベースでは、輸出規制は正式な協議事項には含まれない可能性が高いとされていますが、特に中国側によるレアアース規制の緩和という文脈では、この問題が議論される可能性もあると弊社はみています。レアアース規制を巡る譲歩には、それに対応する形で、米国側による先端半導体輸出に関する一定の柔軟性が必要になる可能性が高いとみています。というのも、レアアースと半導体チップの均衡関係が、両国の戦略的関係を下支えしていると弊社は考えているためです。ここ数カ月、双方が対立をさらに激化させることを思いとどまってきた背景には、主にこの点があるとみています。では、市場は何を最も注視すべきでしょうか。具体的な通商合意や、休止措置の正式な延長に加えて、会談全体のトーンが極めて重要になると考えています。テクノロジー分野での協力に関する表現や、協議継続で合意するかどうかは、今後、双方がこの関係をどのように管理していくつもりなのかを見極めるうえで重要な材料になります。今回の会談は、今年予定されうる複数の会談のうちの一つにすぎない点も忘れてはなりません。そのため、将来的により幅広い構造的譲歩につながる象徴的なコミットメントであっても、意味を持つ可能性があります。現時点で最も可能性が高いのは、関係の劇的な再構築ではなく、安定化の継続だと弊社は考えています。これは市場にとってなお一定の支援材料にはなりますが、世界の投資家のポジショニングに影響を与え続けている地政学的な重しを完全に取り除くには、おそらく十分ではないでしょう。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。



