
前回の何も教えてくれなかった善知識様が禅宗的だとしたら、今回の善知識様は密教的な教えかもしれません。善知衆芸覚童子は阿字から始まる四十二字の文字(カローシュティー文字という、ガンダーラ地方で用いられていた五十音やアルファベットのようなもの)すべてが空であることに精通し、それらの文字で学ぶことのできるあらゆる学問(心霊学、行政学、人相学、鉱山学、天文学、気象学、都市設計など)に精通しているのです。四十二字が空であるということは大般若経に説かれる内容であり、その最初の五文字「ア、ラ、パ、チャ、ナ」はのちのち文殊菩薩様の真言とされます。この善知識様の話にはそのことが触れられませんので、華厳経が書かれた時代は、まだ文珠様が密教的な宇宙観と結びつく前だったのかもしれませんね。#華厳経 #入法界品 #絵解き
Jul 29
13 min

あまり知られていませんが、中国・湖北省の襄陽(じょうよう)市にある龍興寺に伝来していたという石碑に刻まれた『阿弥陀経』には、普通の阿弥陀経にはない21字が追記されているのです。それは「一心不乱」の句に続けられた「専持名号以称名故諸罪消滅即是多善根福徳因縁」。つまり、「南無阿弥陀仏」とお称えすることで罪が滅ぼされ、多くの善を積み、福徳の因縁となる、とのこと。これはその前の「少しくらいの善では阿羅漢や不退転の菩薩たちと一緒に過ごせる極楽に往生できるはずもない」というところと対になっているようです。この21字は後世に追加されたようですが、法然上人はこの文をご存じで、深く受け止められ、称名念仏の根拠にもなされたようです。
Jul 28
13 min

善財童子は天上から地上へと降りて来ます。そして子供たちを教えているというまだ若い善知識である遍友童子を訪れますが、なぜか何も教えてくれません。ただ次の善知識を紹介してくれるだけなのです。こんな善知識もいらっしゃるのですね。#華厳経 #入法界品 #絵解き
Jul 22
6 min

極楽のことを聞いた人々が往生できる条件は「極楽に生まれたい」と誓願をおこすこと。そうすれば、極楽で阿羅漢となった比丘たちや不退転の位の菩薩たちに出会えるのですが、これはこの世で少ない善の功徳を積んだ結果では到底辿り着けない世界なのです。
Jul 20
8 min

極楽に生まれた衆生がみんな「阿鞞跋致(あびばっち/不退転)」の位になる、というのは、実は前段の「極楽の菩薩も数知れない」と言う説明から繋がっているのです。これは極楽に生まれた声聞弟子たちが全員阿羅漢になる、というのと対応しています。(さらには菩薩たちの多くが「一生補処=仏になる直前の輪廻の存在」という偉大な存在にまでなれるそうです)ここに、阿弥陀経の古層と新層の違いを見出せます。極楽を志す小乗仏教の僧侶と、そのあとに大乗仏教の菩薩たちも追従していった姿と。さらには遡って最古層も考えると、善男子善女人という普通の人々が救われるパラダイスの存在も透けて見えてきます。ただ美しい鳥たちが鳴き交わす楽園。そこに小乗仏教の僧侶たちも往生するようになると、鳥たちは阿弥陀仏の化身であり畜生ではない、鳴き声は尊い小乗仏教の覚りを教えてくれる…そんなお経のほつれが、少しづつ見えてまいります。#阿弥陀経
Jul 6
11 min

阿弥陀経には極楽の比丘の数は数えきれないほどとされます。そして全員が阿羅漢の悟りを得ておられます。菩薩の数もまた同様。無量寿経に諸仏の国にも大勢の菩薩様がおられると説かれますが、その合計数よりももっともっと大勢なのです。#阿弥陀経
Jun 29
9 min
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