SCB PODCAST#203は『POOLSeasonBooklist2026TakadaSelect』です。
今回はどこか既視感のあるありがちな
エッセー紹介文風にしてみました。
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夏の読書。
夏は、水に近づきたくなる。
朝いちばんのプール。誰もいない水面は空を映していて、飛び込めば世界の音が少しだけ遠くなる。水から上がると、風は同じはずなのに、さっきまでとは違う季節のように感じられる。
本にも、似たところがある。
ページを開く前と閉じたあとでは、世界は何も変わっていない。それでも、目に映るものは少しだけ違っている。
夏の読書は、その小さな変化を楽しむためにあるのかもしれない。
冷えた麦茶を飲みながら。木陰のベンチで。旅先の宿の窓辺で。あるいは、泳いだあとの少し湿った髪のままで。
読む場所は、特別でなくていい。
静かな時間さえあれば、それで十分だ。
SCBPODCASTのブックリストシリーズでは、この季節に手に取りたくなる本を選びました。
物語の中を歩く一冊。
誰かの日常に寄り添うエッセイ。
見慣れた景色を少し違って見せてくれる言葉。
本は答えを教えてくれるものではなく、ときどき、立ち止まる理由をくれる。
忙しい日々のなかでは、何かを終わらせることばかりが増えていく。でも、本を読む時間だけは、何かを進めるためではなく、ただ、その場にいるための時間であってもいい。
だから読書は、少し贅沢だ。
SCBPODCASTでは、一冊の内容を急いで伝えることよりも、その本がまとっている空気や、読み終えたあとに残る静かな余韻を大切にしています。
本を紹介するというより、本のある時間を紹介したい。
そんな気持ちで、このシリーズを続けています。
夏は長いようで、あっという間に過ぎていく。
読みかけの本をバッグに入れて出かける日もあれば、一行しか読めない日もある。それでもいい。本は急がない。いつでも続きを待っていてくれる。
プールへ向かう足取りのように、少しだけ軽く。
この夏は、耳から本に出会ってみませんか。
ページの向こうには、涼しさではなく、静けさがあります。
◾️OnoSelect
❶『このゲームにはゴールがない ――ひとの心の哲学』/古田徹也/筑摩書房
❷『バラバラな世界で共に生きる リチャード・ローティの哲学』/朱喜哲』/NHK出版新書
❸『これで駄目なら』/カート・ヴォネガット/飛鳥新社
◾️TakadaSelect
❶『二月のつぎに七月が』/堀江敏幸/講談社
❷『『語るに足る、ささやかな人生』/駒沢敏器/風鯨社
❸『外国語を届ける書店』/白水社編集部/白水社
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