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1853年夏、シシィの母と、ネネの愛称で呼ばれた姉ヘレネがバート・イシュルへ向かい、シシィも同行しました。これはフランツ=ヨーゼフ皇帝の23才の誕生日を祝うためでしたが、本当の目的は、姉妹である双方の母親が計画した皇帝の花嫁選びでした。2人の母親の計画では、フランツ=ヨーゼフとネネが婚約するはずでした。母親の予定とは裏腹に、フランツ=ヨーゼフ皇帝は15才のシシィに一目惚れしたのです。 こうしてフランツ=ヨーゼフはシシィに求婚しました。返事を求められたシシィは、わっと泣き出しました。「どうして、彼は私のことばかり考えるのでしょう。私は取るに足らない人間です。私も皇帝が大好きです。ああ、彼が皇帝でなかったら良いのに! 8月19日には、正式の婚約式が行われました。突然人々の視線を一身に集めたシシィは、おびえて殆ど無言でしたが、他方、フランツ=ヨーゼフは有頂天になりました。皇帝の母ソフィー女大公は、シシィの置かれた立場を良く理解していました。一般には、女大公が息子の選択に反対だったとされますが、実際には、幸せそうな息子の様子を見て、彼女も2人の婚約を喜んでいました。

