カフエマメヒコ井川啓央の「いかひこ深夜便」
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マメクル2020 #17/ボクはウソをつく
21 minutes Posted May 17, 2020 at 3:39 am.
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例えば。「貧しくたってヒトは幸せになれるんです。心持ち次第です」、なんてボクたちは声高に、いつも健やかに言ってきましたが、ほんとはお金がなければ、ろくな人生が待っていない、それが現実社会でしょう。「法の外側にこそ幸せがあるんです。法の内側に縛られることはない。好きなことをやって生きていけばいいっ」、なんてボクたちは声高に、いつも健やかに言ってきましたが、ほんとは法の内側に守られてる、寄らば大樹のほうが安全で楽な人生を送れる、それが現実社会でしょう。ボクたちの、青臭い会話を聞いてるヒトの中には、こんな風に言うヒトがいるかも知れない。「あいつらは、大層なホラ吹き野郎だ。あいつらの言ってる甘い言葉に騙されるなよ。夢を見るなよ。騙されて泣きを見た可愛そうなやつを、オレはたくさん知ってるぞ。世の中甘くない。あんな風に生きていたら必ずしっぺ返しが来る。大ボラ吹きを信じるな。大ボラ吹きを信じるな」ボクはその雑言に反論はしないし、ほんとにそうだよなー。嘘つき野郎ね、たしかにそうねー、と思ったりします。ただね。ただですよ。「目の前に見えてることだけを信じるんだ」それもまたウソです。そんなウソを信じていいんでしょうか。あなたは目の前に見えていることだけを信じておられるとして、では、あなたの人生に、希望はあるんでしょうか。うむ。そりゃそうでしょ。希望なんてものはありませんわね。だって、不確実性のなかに希望があるんですから。うむ。希望なんてなくても生きられる。たしかに、たしかに。あなたはそうでしょう。けれど、少なくとも若い子たちはそれで平気ですかね。食うものに困らなければ、希望なんてものがなくても平気でいられますか。そりゃ子供の将来は、あなたのように、大して面白くもないただのおとな。かもしれませんよ。けれど、それはあなたはそうなんであって、子どもたちがみんな、つまらないおとなになるとは限らないでしょう。自分がつまらないおとなだからと言って、「目の前に見えてることだけを信じるべきだ」、「あいつらはウソつき」と非難するのは心外です。ボクは少なくとも確信犯でウソをついている。あなたのように、ほんとうは怖がりで、だから希望なんかこの世にはないと、さもありなんとウソをつくおとなより、よほどマシだとボクは思っていますが、さてどうなんでしょうか。