Show notes
永瀬さんは、1945年6月29日の岡山空襲を伝える合唱組曲「燃える故郷」を作詞しています。この曲は、木下そんきさんが作曲し、岡山合唱団により1981年6月に初演されました。詩「ひもじさの声」は、その第2章にあたる内容を少しずつ書きかえています。の詩では、食べ物がなくてひもじい思いをしている「僕」が、僅かしか食べられなくて泣きたいような気持ちをつばめに託して鳴いているのです。詩の合間に挿入されているわらべ歌も注目されます。たとえば「鷺 わりゃなんで首ながい」は、北原白秋編『日本伝承童謡集成 第2巻天体気象・動植物唄篇』(三省堂 1949年5月初版/1974年10月改訂新版初版/2003年5月復刻版初版)より、類似する唄が石川県でも唄われていたことがわかります。おそらくこのわらべ歌は、永瀬さんが幼い頃に聴いたもので、その歌詞をここに引用したのでしょう。「僕」の心の中でうたわれるこのわらべ歌が、もの悲しさとやりきれなさをいっそう強く感じさせます。<文・白根直子>

