Show notes
「まだ まだ まだ」は、題名だけでも円熟した永瀬さんの詩の世界が感じられます。というのも、「まだまだまだ」ではせわしさばかりが伝わってきますが、「まだ まだ まだ」と一字分の空白により、年を重ねたゆとりや、若い頃のように軽やかに動けないけれども、一歩でも前に進もうとする命の輝きのような一呼吸が感じられるからです。文字の配置ひとつで詩の印象が大きく変わることを改めて感じます。年を重ねても驚きと発見を繰り返し、それでもまだ十分ではないという「欠乏」。充足ではなく、足りなさにこそ永瀬さんの詩の魅力があり、詩作だけではなく人生そのものに通じる考え方にも思えます。そしてこの「欠乏」こそが、永瀬さんのみずみずしさの源泉であることに気づかされます。<文・白根直子>

