永瀬清子の世界
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#39 「一本の幹で」
3 minutes Posted Dec 23, 2024 at 2:30 am.
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永瀬さんの詩は、戦中に発表した詩「大いなる樹木」のようだと〈樹木〉に象徴されることがあります。つまり、「一本の幹で城のように立っている樹」です。ところがこの詩の〈樹木〉は、ちょっと違います。「いつのまにか他人の根が」からまっているような、どこか頼りない〈樹木〉なのです。そして「私」は、とまどいながら、最後の最後に「お互のかなしい刺のみが お互を支えあっていることを」知るのです。一人で生きているつもりでいても、どこかで知らず知らず、誰かに助けられていたことに気づく時、「城のように」立つ美しさと支えあう美しさ、弱さを知ることの強さを教えられるようです。永瀬さんの〈樹木〉ような詩は、だからこそ美しく強いのだと思います。 <文・白根直子>