市場の風を読む
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Morgan Stanley
株式・債券・原油がそろって動くとき
6 minutes Posted Jun 2, 2026 at 7:00 am.
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弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、市場がいくつかのマクロ要因を軸にこれまで以上に同調して動いているように見える中で、どのような投資の道筋が考えられるのかを詳しく考察します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、株式と債券の連動性が非常に高い一方で、同時に大きなばらつきも見られるという、いまの市場をどのように読み解くべきかを考えます。このエピソードは6月2日にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。一つの市場――。最近の投資環境は、そのように表現されることがあるかもしれません。厳密に言えば、それは正しい見方です。大半の投資家のポートフォリオの大部分を占める二つの「主要」資産クラスである株式と債券が、異例なほど足並みをそろえて動いています。利回りが低下すると株価は上昇し、逆に利回りが上昇すると株価は下落する――そうした関係が、過去20年以上で最も一貫して見られています。そして、おそらく不思議ではありませんが、そのどちらも原油価格と密接に連動して動いています。この時点では、全体像はかなり明確に見えます。イランを巡る紛争は市場にとって非常に大きな問題であり、世界のエネルギー供給に対する史上最大の混乱を意味しています。もちろん、株式も債券も原油も、この極めて大きな問題がどのように決着するかという見方に基づいて、そろって動いているのです。その意味で、市場がかなり堅調に見える足元においても、この紛争が依然としてきわめて重要であることが示唆されています。株式、債券、商品価格がどの程度そろって動いているかを測ることができるのと同じように、個別株同士がどのように動いているかを追うこともできます。では、こうした主要資産クラスに見られるように、株式もまた一斉に上がったり下がったりしているのでしょうか。答えはノーです。誇張ではなく、実際にはまったく逆の状況です。たとえばS&P500を構成する個別銘柄同士が、互いにどのように動いているかを測る方法はいくつかあります。しかし、どの指標を見ても示していることは同じです。日々の値動きにおいて、株式は異例なほど分散し、それぞれ独立して動いています。株式と債券の関係が過去20年以上で最も強くなっているのと同時に、S&P500の構成銘柄同士の関係は、むしろ最も低い水準にあります。もし、先ほどお話しした株式と債券の強い連動を生み出している要因がイランだとすれば、個別企業レベルに落とし込んだときに逆の現象を引き起こしている背景には、人工知能、つまりAIがあるのかもしれません。ある企業はAIの非常に大きな恩恵を受ける一方で、別の企業は取り残される――そうした見方が、少なくともパフォーマンスのばらつきの一因を説明します。さらに注目度の差もあるでしょう。AIに敏感な銘柄にあまりに多くの関心とポジショニングが集まることで、市場のその他の部分はあっという間に忘れられたような状態になり、その結果、より独立して動きやすくなるのです。実際、S&P500が再び過去最高値圏に近づいている一方で、上昇銘柄数と下落銘柄数のどちらが多いかを示す市場のアドバンス・デクライン・ラインは、2月下旬や4月半ばの水準を下回っています。ここから導かれる示唆はいくつかあります。第一に、足元では株式と債券は密接に連動していますが、エネルギー市場へのストレスがさらに深刻になれば、この相関は反転すると弊社は考えています。原油価格が弊社コモディティ・チームの弱気シナリオである1バレルあたり130~150ドルまで急騰した場合、市場はこうした状況が成長に与える影響をより懸念するようになり、利回りは低下し始めるとみています。したがって、これまで債券による分散効果には失望もありましたが、本当に重要な局面では、その効果は改善し、しっかり現れてくると考えています。株式市場においては、この分散の大きさは、銘柄選択によって市場全体とは異なる成果を上げられる可能性を意味します。実際、自分はストックピッカーだと考える方にとって、銘柄間の相関が低い市場こそ、まさに望ましい環境です。さらに言えば、個別銘柄の多くは、市場全体の水準が示唆するほど過熱していない可能性もあります。最近この番組でもお話ししたように、私の同僚であるマイク・ウィルソンと弊社米国株式ストラテジー・チームは、ここから米国株の上昇はより幅広い銘柄に広がっていくと予想しています。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。