市場の風を読む
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Morgan Stanley
株価上昇が続く理由
7 minutes Posted May 4, 2026 at 7:00 am.
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弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、セクターを問わない株価上昇の背景にある要因を解説します。 このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが登場します。米国株式市場にとって、なぜ利益が依然として最も重要な変数なのかをお話します。このエピソードは5月4日にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。この相場を何が動かしてきたのかを熟考するほど、そしてデータを検討すればするほど、私は同じ結論にたどり着きます。すなわち「企業業績」です。ニュースの見出しではありませんし、FRBでさえありません。いま相場を実際に押し上げているのは、企業の利益なのです。今回の決算発表シーズンを見ていて際立つのは、単なる底堅さではなく、大半の人が考える以上に裾野の広い「強さ」です。S&P500の典型的な企業では利益が およそ 約16%増加しており、利益の上振れ幅の中央値は6%前後となっています。これは、過去4年間で最も堅調な水準です。私が特に興味深いと考えているのは、この強さが、もはやメガテック銘柄だけに限られていない点です。確かに、依然、ハイパースケーラーや半導体が主導的な役割を果たしていますが、ストーリーは広がっています。特に金融、資本財・サービス、一般消費財の各セクターで、利益予想の上方修正が進んでいます。これほどの広がりは、単に一部銘柄だけが牽引する相場ではなく、より持続的な動きであることを示唆しています。同時に、多くの投資家は地政学的な環境、とりわけイランをめぐる紛争と、それが原油、インフレ、サプライチェーンにとって何を意味するのかに注目しています。公平に言えば、企業はそうした圧力の一部を感じています。決算説明会では、輸送コストの上昇、サプライチェーンの逼迫、そして化学や機械といった業種全体では投入コストの上昇が話題に上っています。ただし、そこには微妙な違いがあり、影響は一様ではありません。市場全体に同じ形で影響を与えているのではありません。実際、指数レベルで見ると、そうした影響は相殺されています。エネルギー株は利益成長にプラスに寄与しており、高所得者層向け消費財も相対的に堅調です。燃料コストが上がっているにもかかわらず、少なくとも現時点では、消費全体に目立った落ち込みは見られません。つまり、典型的な需要ショックに直面しているわけではない、ということです。圧力が再配分されており、企業がそれに適応しています。多くの場合、企業はコスト上昇分を価格に転嫁しています。売上高の上振れは過去の平均を上回っており、価格決定力の改善がうかがわれます。もちろん、利益だけがパズルのピースではありません。政策も依然として重要であり、今年に入ってから金利の予想は大きく変化しました。FRBは明らかにインフレに対する懸念を強め、市場に織り込まれた利下げ回数は減り、織り込まれた利上げの確率が高まった可能性すらあります。こうした再評価こそが、この6カ月でバリュエーションに急激な調整が入った大きな理由です。そうした逆風があっても、企業業績のおかげで株価が下げ止まった点は特筆に値します。利益がトレンドを上回るペースで伸びているときは、FRBが利下げをしているかどうかにかかわらず、株式投資は着実なリターンを生み得ます。それでも、さらに注目すべきリスク領域があると考えます。それが流動性です。過去6カ月間、資金調達市場にストレスがかかる局面が見られ、そうした局面ではバリュエーションにも圧力がかかっていました。FRBと財務省は、状況を安定させるために時折介入し、債券のボラティリティを低下させ、株式のマルチプルを下支えしてきました。重要なことに、今年はすでにバリュエーションに大幅な調整が入り、株価収益率は 去年昨年秋のピークから18%低下しています。弊社が強調してきた多くのリスクを市場が織り込む過程でこうした調整が行われました。一方で企業利益は、持ちこたえているだけでなく、成長が加速し、幅広い業種に広がっています。私たちが注目している地政学、原油、サプライチェーンといったリスクは、確かに現実のものです。しかし、それらは企業レベルで吸収されています。その結果、株価の下落は、バリュエーションの圧縮に比べればはるかに小幅にとどまりました。一方で、金融政策は一定の逆風となっていますが、企業業績のストーリーを打ち消すほどではありません。株式市場を動かすものは2つ、企業利益と流動性です。いまは企業利益の影響力が、長引く流動性への懸念を十分に相殺しています。つまり、利益成長のほうがバリュエーション調整を上回っているのです。これは典型的な強気相場の動きであり、この状況が続く限り、米国株式市場は、時折ボラティリティが高まる局面を挟みつつ、年末に向けてじりじりと上昇していくと考えます。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。