市場の風を読む
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Morgan Stanley
決算シーズンを支配する指標
7 minutes Posted Apr 30, 2026 at 7:00 am.
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設備投資は通常、企業が将来に向けてどのような布石を打っているかを示すシグナルです。弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、この指標が投資家から一段と注目されている理由を解説します。このエピソードを英語で聴く。 トランスクリプト 市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社債券リサーチ・グローバル責任者のアンドリュー・シーツが、AI関連の設備投資がいま、資産クラスを問わず決算シーズンにおける最重要指標の一つへと急速に浮上している理由を語ります。このエピソードは4月30日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。今回のエピソードは、皆さまが耳にする頃にはすでに内容がすでに機を逸している可能性があるという意味でリスクがあると言えるかもしれません。ただし、最先端技術への過去最高水準の設備投資を検討するにはいい機会と言えるでしょう。現在、決算発表はピークにあり、世界最大級の4社、アルファベット、アマゾン、マイクロソフト、メタは4月29日に決算を発表しました。これら4社の時価総額を合計すると、12兆ドル近くになります。やはり従来通り、決算シーズンに焦点となるのは利益ですが、別の勘定科目の重要性が急速に高まっています。AIモデルを構築し稼働させるために必要となる、半導体チップ、電力・冷却、そして接続といった、AIインフラへの設備投資が急増しているのです。先日決算を発表した企業は、このトレンドの最前線にいます。こうした支出でまず目を引くのは、単純にその規模です。米国の主要ハイパースケーラー全体で今年だけでも、6,000億ドルを上回ると弊社は推定しています。分かりやすく例えると、一握りの米国ハイテク企業の今年の設備投資額が、S&P500を構成する非テクノロジー企業全てが2025年に投じた設備投資額にほぼ匹敵する見通しである、ということです。さらに、支出規模が大きいだけではなく、加速しています。弊社が2026年向けに予測している、6,000億ドル超という支出額についても、1年前の時点では、その半分程度だと考えていました。しかも当時ですら、弊社の予想はコンセンサス予想を大きく上回っていました。米国企業はAIの機会を捉えようとする中で、支出見通しを繰り返し上方修正してきました。弊社は、この流れが続くとみています。こうした米国ハイパースケーラーの設備投資は、2028年までに、年率換算で1兆ドルに到達する可能性があると弊社の担当アナリストは予想しています。つまり、これらの数字がどれほど大きく見えたとしても、設備投資のストーリーの多くは、まだこれから先にあるということです。こうした投資は、最近のものも、将来のものも、大きな影響を及ぼすと予想されます。第一に、ある企業の支出は別の企業の売上高であり、株式市場でここ最近勝ち組となっている銘柄の多くは、この歴史的な設備増強と直結しています。本収録時点で、米国の半導体関連株は今月だけで30%超上昇しています。第二に、こうした米国の大手テック企業は潤沢な資金力を有しているとはいえ、これほどの規模の支出となると、依然として多額の借り入れが必要になります。弊社のクレジット戦略チームは、今年の社債発行額が過去最高となり、そのかなりの部分を米国のハイテク企業の借入れが占めると予想しています。そして今のところ、その通りの展開になっています。第1四半期は、米国投資適格債の発行額が過去最大となりました。こうした状況を踏まえ、足元の企業決算と、株式に比べてクレジットにとってネガティブな方向に偏っているように見えるジレンマに話を戻します。これらの企業が設備投資計画に引き続き自信を示すか、または予想をさらに引き上げるようであれば、AI関連の供給企業や株式市場全体を下支えする可能性があります。しかし一方で、より多くの借り入れ需要を社債市場が吸収しなければならないことを意味するため、クレジットにとってはマイナス材料です。先日の決算結果は、確かにこのトレンドが続くことを示唆しています。一方で、設備投資が下方修正されれば、最近の市場の強さとリスク選好を支えてきた重要な柱が揺らぎかねず、それに関連してクレジット・スプレッドが拡大する可能性があります。短期的に、リスク・リワードについては、住宅ローン担保証券など、債券の他の分野の方が良好に見えます。4月29日の決算発表の影響が、FRBに及ぶ可能性もあります。先週もお話しした通り、次期FRB議長の候補者であるケビン・ウォーシュ氏は、大規模な投資が生産性を押し上げ、インフレ率を押し下げ、その結果として低い金利を正当化し得ると考えています。ですから、これらの大規模な支出を行なう企業が何をするのか、そして将来にどれほどの自信を持っているのか、その支出が最終的に何をもたらし得るのか―そうしたことの意味合いは、金融政策のストーリーにまで広がる可能性があります。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。