市場の風を読む
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Morgan Stanley
市場反発の証拠が積み上がっている
8 minutes Posted Apr 13, 2026 at 7:00 am.
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弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、先行き不透明感が続くなかでも、投資家は株式市場の回復に備えた体勢で臨むべきだと考える理由を解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト  市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今日のエピソードは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンがお送りします。株式投資家は、ときには、ニュースの見出しからいったん目を離す必要がある理由についてお話しします。このエピソードは4月13日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。今日は、いま多くの投資家が悩んでいると私が考えること、つまり「タイミング」についてお話ししたいと思います。私が話をした多くの人は、今も市場が脆弱だと感じています。地政学的要因、中央銀行、原油…何もかもが不透明です。しかし、市場の実際のふるまい方、すなわち、市場から受ける感触ではなく、市場が物語るものを見ると、まったく違う結論に至ります。今回の調整局面は、多くの人が考えている以上に、進行しています。実際、この2週間ほどで、S&P500は大きく反発してきました。弊社が注目してきた重要な6,300~6,500のレンジを維持したあと、安値から およそ 約7%上昇しています。私には、これが偶然とは思えません。市場が危険な状態が去ったことを知らせる前に、底を固めているのです。視野を広げて見ると、私の大局的な見方は変わっていません。2022年から2025年にかけて続いたローリング・リセッションが終わったあと、去年昨年4月に始まった新たな強気相場が続いているとの私の考えに変わりはありません。今回の調整は、そのサイクルの一部であって、終わりではありません。そして重要なことに、厳しい調整の多くはすでに終わっています。バリュエーションは大幅に圧縮されています。予想ベースのPERは、ピークから底に達するまでにおよそ約18%低下しました。さらに水面下では、半数を超える銘柄が20%以上下落しています。つまり、戦争であれ、プライベートクレジットへの懸念であれ、AIによるディスラプションであれ、多くのリスクは、すでに市場に織り込み済みとなっています。その一方で、企業利益は逆方向に動いています。実績ベースの利益成長率は15%前後、予想利益の成長率は20%を超える水準です。このようにマルチプルが低下する一方で利益が伸びるという組み合わせは、典型的な強気相場における調整局面の振る舞いです。弱気相場ではありません。多くの投資家が現在の環境を読み違えていると私が考える理由がここにあります。これが特に明確であると私が考える分野の一つが、エネルギーです。値動きを見ると、エネルギー株は相対ベースではすでにピークを付けたように見えます。これはしばしば、基礎となるコモディティ、つまりこの場合は原油も、ピークを付けつつあるか、少なくとも安定しつつあることを示すサインです。そして、現在のボラティリティを本当に左右していると私が考える要因、すなわち金利の話になります。現在、株式と利回りが負の相関関係にある環境が復活しています。つまり、金利上昇は再び株価の逆風になっており、インフレを重視する中央銀行の最近のタカ派的なトーンが、金融環境を引き締めています。私が見たところ、これが最後のハードルです。戦争でも、原油でもなく、金融政策です。そして興味深いことに、金融環境の引き締まりは、最終的には中央銀行に政策転換を迫るものでもあります。したがって、今日の不安を生んでいる要因そのものが、明日の安堵感につながる要因となる可能性があります。では、今回の調整が終盤にあるのだとすれば、次の問いは「どうポジションを取るか」です。引き続き「バーベル戦略」であると私は考えます。一方には、金融、資本財、一般消費財といった景気敏感株があります。依然、利益は堅調で、バリュエーションもリセットされています。もう一方には、ハイパースケーラーを筆頭とするクオリティ・グロースがあります。センチメントはすでに大きく冷え込みましたが、ファンダメンタルズは損なわれていません。この組み合わせは、安値からの局面でこれまでうまく機能してきましたし、今後も引き続き理にかなっていると考えます。さらに視野を広げると、もう一つ大きなテーマも進行しています。それは経済のリバランスです。弊社が去年昨年11月に公表した2026年の見通しでも中核的 なテーマとして検討しました。成長が、公的部門から民間部門へシフトしているという、明確な証拠が見え始めています。民間部門の雇用は強まり、設備投資は上向いており、企業は足元の不確実性が構造的なものではなく、一時的なものであるかのように行動しています。つまり、このローリング・リカバリーは、順調に進んでいるのです。同時に、少なくとも短期的には、AIはディスラプションというよりも利益率の追い風として働いています。これは多くの産業で営業レバレッジを後押しします。こうした点はすべて、回復が本物であり、さらに伸びる余地があるという私の見方を補強しています。これら全てを勘案した結論は次のようになります。市場はすでに多くの悪材料を織り込んでいます。バリュエーションを調整し、ポジショニングをリセットし、市場リスクを吸収してきました。残るリスクは政策であり、金利と流動性の制限的な状態がどれだけ長く続くかです。しかし、市場は完全にリスクが払拭されるのを待ちません。先回りして動きます。そこで、私からのアドバイスです。心配材料がさらに出てくる局面があれば、それを活用して、明白になる前に資金を投じるのです。市場は誰も待ってくれないからです。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。