市場の風を読む
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Morgan Stanley
強気相場の再開は、見た目より早いかもしれない
7 minutes Posted Mar 30, 2026 at 7:00 am.
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株式市場は、地政学的要因や原油、AIを含むさまざまな混乱を、すでに織り込みんでいます。弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが、金融政策が過度に引き締められた状態で過度に長期間維持されるのかどうか、という1点に現在、投資家の注目が集まっている理由を解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト  市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。本日のエピソードでは、弊社最高投資責任者兼米国チーフ株式ストラテジストのマイク・ウィルソンが登場します。上振れと下振れのバランスが、実は年初と比べて、改善している理由をお話しします。このエピソードは3月10日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。最近、筆者がお話しした方々は、皆さん同じ点に注目しています。イラン情勢、原油価格、そしてもちろん、設備投資、労働市場への影響、そして効率性のいずれについてであれAIです。ただ、市場の値動きを見ていると、私はコンセンサスとは異なる結論に至ります。まず、米国株式市場は、人々が考えているほど経済成長リスクに対して楽観的ではありません。例えばこう考えてみてください。ラッセル3000構成銘柄のうち半分以上が、高値から20%以上下落しています。一方で、S&P500のPERは17%低下しています。これは楽観ではありません。完全な景気後退とは言わないまでも、成長に対する不安があった過去の局面と矛盾しない調整がかなり進行しています。次に、誰にとっても最大の関心事である原油についてお話しします。過去の例を見ると、原油価格の急騰が景気サイクルに終止符を打つ事例は少なくありません。ただし、景気後退が実際に起きたのは、利益成長が減速していたか、あるいは明確にマイナスになっていた局面に限られます。現在は、利益成長が加速しており、およそ14%近くで推移しています。また、予想利益の成長率は20%を上回っています。一方、原油価格の上昇幅を前年比で見ると、景気後退につながった事例で見られた上昇幅のおよそ半分にとどまっています。言い換えると、市場は景気後退を織り込んでいません。その理由は、景気後退の可能性が低いように見えるためです。むしろ弊社では、市場は原油やその他の重要資源をめぐる不透明感が、最終的に解消し、タンカーによる継続的な輸送が再開し、価格が安定するか、または下落するまで続くことを織り込んでいると考えています。私が見たところでは、原油より金利の方が、米国株にとってより大きな重石になっているようです。具体的には、株価と利回りの相関関係が大幅なマイナスに転じています。株式は利回り上昇の動きに対して、過去数年見られなかった極めて敏感な状態になっています。その主な理由は、FRBや各国中央銀行が、最近になって、よりタカ派的な姿勢に転換したことです。その結果、10年物米国債利回りが4.5%という水準に近づいています。この水準では通常、株式のバリュエーションがさらに圧縮されると弊社は見ています。さらに、債券のボラティリティも上昇しています。株式のバリュエーションは、債券のボラティリティに対して常に敏感です。良いニュースとしては、FRBは株式のボラティリティよりも債券のボラティリティにより敏感です。したがって、ここからさらに上昇するなら、FRBがハト派寄りの姿勢へと再び転換する可能性が高いと考えられます。簡単に言うと、目先のより大きなリスクは地政学的な状況ではなく、金利と債券ボラティリティによって金融環境が引き締まることです。皮肉なことに、これは安心材料にもなり得ます。結局のところ、私は依然、この調整局面が終わりに近づいていると考えています。そして、今後6〜12か月について見ると、リスクとリターンのバランスは、年初よりも今の方が良いように見えます。ポジショニングの面でも、興味深い変化がいくつか見えています。ディフェンシブ株と金は、1月初旬から2月末に中東の緊張が高まり始めるまで、力強く上昇していました。しかし、その後は大幅にアンダーパフォームしています。その一方で、最近好調なセクターの一角を占めているのが、より景気敏感な業種です。これは、市場がこうした懸念の先を見越して織り込み、大半の投資家が考えるよりも早く、その先を見る準備ができている可能性があることを示していると思われます。AIについては、依然としてディスラプションに注目が集まっていますが、目先のストーリーは、むしろ効率化と利益率の拡大だと私は考えています。伝統的な雇用循環を引き起こすような需要ショックは見当たりません。そうではなく、企業がAIを使ってコスト構造を適正化し、生産性を高めているのが現状です。結論として、市場は、戦争、原油価格高騰、AI、クレジットリスクを織り込むことで、この調整局面における重労働の多くをすでにこなしています。いま市場が格闘しているのは、各国中央銀行が引き締め過ぎの姿勢を長く続け過ぎるという、誤った金融政策のリスクです。もしそのタカ派的な傾きが和らぎ始めるなら…恐らくそれは債券ボラティリティがさらに上昇した時に、起こると見られます。こうした強気相場の再開は、大半の向きが予想しているよりも早く訪れる可能性が高いと考えています。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽しみいただけたでしょうか?もしよろしければ、この番組について、ご友人や同僚の皆さんにもシェアいただけますと幸いです。