
漫画を描くうえで「自信」はどれぐらい必要なのでしょうか。自信を失うと全く描けなくなってしまう人がいる一方で、どんな状態でも描ける人・むしろ描くことで満たされる・状態が回復する人も、同じくらいいるのではないでしょうか。
前者は描く動機が「他者からの評価」、描くことが手段という人。後者は「描きたい!という気持ち」自体が動機であり、描くことが目的という人。
そんな風に分類もできると考えると、「とにかく自信をもって描いてください!」というアドバイスは、全員に共通するものではないということに。成長へのアプローチとしても、前者は「成功体験」、後者は良いツールや仲間といった「環境」こそが重要になってくるのかもしれません。
一方で、描いた作品を他人にみせる場合は、自信ではなく「耐性」の問題となってくるなど、一括りに「自信」を軸として考えてしまうこと自体が、いろいろな認識齟齬の原因となっている可能性も。
そんなわけで今回は、マンガスクリプトDr.ごとうが、これまで自身の講座や動画でずっと訴えてきた「自信」の重要性を、そもそも疑い直してみる、という貴重な回になっています(笑)
Nov 27, 2024
26 min

画力をアップさせる練習の1つに「模写」があります。プロの漫画家の画という完成形に対し、自分はどこまで正確にそれを再現できる技術があるのか、比較しながら学べるいい機会となるでしょう。
さらには毛先の細かい描写、パーツの配置など、ただ漫画を読んでいるだけでは絶対に気づかないようなプロの技術やこだわりを再確認できる機会にもなります。
そして取り組みの際、特に意識してほしいのが、線のストロークの綺麗さと速さの再現です。プロと同じ速さでサッと描き、同じぐらい綺麗な線が引けているかどうか。線のつなぎ目をみて、同じところまで一筆で弾けるかどうか。タッチの差をぜひ意識してみてください。
一方で、模写と似てはいるものの、効果という点で疑問があるのは「画をなぞる」という練習方法。漠然と線をなぞるだけでは、単なる作業となってしまって何も身につかない可能性も……。練習は、目的意識をしっかりもって取り組みましょう!
Nov 25, 2024
32 min

漫画のコマ割りは、大きく2種類に分類されます。1つが、読者に興味・関心を持たせるコマ。そしてもう1つが、読者の発見・理解・解放をもたらすコマです。
読者感情としては、「どなるんだ?」という期待と、「こうなるんだ」という納得や意外性。緊張と緩和、フリとオチとも言い換えられますが、これらのコツさえ掴めば、どんなストーリーでもこの繰り返しで読み進めさせることができるはず。
バランスとしては、フリが2か3に対して、オチが1、ぐらいでしょうか。フリが続きすぎると引っ張りすぎの印象になりますし、1対1では早すぎることに。
今回は漫画の構造を理解するうえで大切な2種類の組み合わせを身につけるため、「読者に語りかける漫画」という新感覚すぎる手法への挑戦の感想も含め、しっかり解説していきます!
Nov 22, 2024
29 min

画力を向上させるための日々の練習に励んでいる人は多くいますが、気になるのが「回数」や「時間」ありきでの取り組みとなっていて、「満足いくまで仕上げる」ことを優先していないのではないかという点。
習慣化を信仰するあまり、ゴールに辿り着くことを放棄していては、「できた!」という感覚を自分で掴むことができません。たしかに最初は時間がかかるかもしれませんが、まずはできるまでやってみる。そして、できるようになるまでの時間を減らすことを目指す。それが正しい順番ではないでしょうか。
筋トレなどのように習慣化そのものを目的とするのではなく、上手くできたという感覚を体に染み込ませることが、反復練習の本来の目的のはず。逆に、上手くできていない感覚をいくら繰り返しても、その技術を身につけることはできません。
もし画力向上のためのトレーニングの成果に頭打ちを感じている方がいたら、ぜひこの機会に見直してみましょう!
なお、現在コルクスタジオで取り組んでいる画力向上のための課題は以下の6つになりますので、参考にどうぞ。
1)線の強弱
2)ペンの抜き
3)ペンの入り
4)円(綺麗な曲線を描き、つなげる)
5)正確な楕円
6)立方体
Nov 20, 2024
31 min

他の人から見れば、「そんなことで悩まなくても」「もっと気軽に考えたら?」と言われそうなことでも、本人的にはどうすればいいかわからないダメ出し・やり直し依頼は数多くあると思います。
編集者から否定(ダメ出し・やり直し依頼)を繰り返されてしまうと、自分の中でどんどん迷いが生じてしまい、余計わからなくなってしまう事態に。そんなときに意識したいのが「ユーモア」の気持ちなんですが、それも余裕があってこそのもの。否定されることを恐れている状態では、自信も持てません。
そんなときにおすすめの方法は、ひとまず案をたくさん出すこと。本来必要なのは作者である自身の言葉なのに、正解探しのモードになってしまっているようなら、とりあえずたくさん出してみましょう。
心構えとしておすすめなのは、自己肯定まではしなくていいので、自己受容をすること。できてない部分はできてない部分として認め、そんな自分をまずは受け入れてみることが大切です。
いずれにしても、自分を否定してしまっているような状態では、読者に向かって投げかけられる言葉も生まれません。自分を否定せず、余裕を取り戻せるような行動・心構えを意識していきましょう!
Nov 18, 2024
36 min

作品内におけるキャラクターや世界観、関係性などを重視する漫画家ほど、そこに「自分」という存在が介在することを良しとしない部分があります。
描いているのはもちろん自分ですが、その世界が在ること自体に喜びや嬉しさを感じている以上、実は作者である自分こそが「一番その世界から消したい存在」と言えるのかもしれません。
では作者=自分とは一体何か、という問題が生じるわけですが、強いて言えば「観測者」という位置付けでしょうか。作者でありながら、目線が入ってしまうと作品世界の純度が下がってしまうため、不在であることを必要とされる不思議な存在。作品自体、本人の意思が介在しないまま自動で筆が走る、いわゆる「神の手」の状態になることが、漫画家としての理想と言えるのかもしれません。
これまで「作品を届けたい相手が明確に存在しているタイプ」と「作品を届けたい相手が自分というタイプ」の2種類に漫画家は分けられるという話を繰り返してきた本ラジオですが、「届けたい誰かが明確に存在しているわけではないし、自分に届けたいわけでもない」という疑問を抱いた人もいたのではないでしょうか。
今回はあらためて「作品づくりにおける自分とは何か」「自分に向けて描いているとは、結局どういうことか」といったテーマについて、考えてみたいと思います!
Nov 15, 2024
38 min

好きの反対は、嫌いではなく無関心。昔からよく言われる言葉ですが、SNSや漫画サイトのコメント欄に書き込まれる「ふーん」や「だから何?」といった感想は、果たして“嫌い”なのか“無関心”なのか。
もしかしたらその何れでもなく、“羨ましい”の気持ちの表れなのかもしれません。その意味では、あなたの投稿した漫画は、読んだ人の感情を動かしていると言えます。
一方で、作品を読んだ相手は「わざわざ書き込む」というアクションを取らざるを得ないほど感情がネガディブに動いていながら、「ふーん」という最上級に薄い反応をしていると見ることもできます。
そう考えると、「ふーん」という書き込みは、「一番言わせてはいけない悪口」なのかもしれません。今から作品を読んで作者の悪口を言うぞ!と構えていた相手が、特に具体的な悪口を思いつかなかった場合に、一応で書いた悪口。その点では「無関心」に限りなく近いといえるでしょう。
作品づくりにおいて、読者のネガティブな意見を気にする必要は、もちろんありません! 一方で、物語は読者の感情を設計することが大切というところから、「この読者は、なぜこの言葉を書いたのか」を考えてみることも大事ですよねという回になっています。
Nov 13, 2024
20 min

ストーリーが上手くまとまらないと感じてしまうような場合、無意識に「漫画は、主人公が成長する物語でないとダメだ!」という想いに捉われ過ぎてしまっているのかもしれません。
描き手はもちろん編集者にも多い「成長ストーリー」至上主義ですが、キャラの魅力や関係性などを中心に描きたい場合は、成長することでそれが失われてしまう可能性もあります。
主人公が何かを得るまでを描きたいなら成長物語が最適ですが、最初から主人公が至高・ただただやりたいことをやり切るだけの物語だってたくさん存在するわけです。
ストーリーで無理にロジックを組みすぎることなく、自分自身が最高にワクワクするような作品を、ぜひ描き切ってもらいたい・・・! ということを、皆さんにあらためてお伝えしたい回になっています。
Nov 11, 2024
29 min

「いきなりやってくる人は、いきなり去っていく」。SNSなどで偶然に近い形で作品を読まれる機会が増えた現代においては、漫画家も心に刻んでおきたいユーザーとの向き合い方・心構えかもしれません。
他者の声を聞く機会が増え続けるからこそ、自己評価の高さ・低さ、自己愛の強さ・弱さなどがメンタル面はもちろん成長面で大きな影響を及ぼすことになりますが、
・自己愛は強いが、人の意見を聞く
・自己肯定感は低いが、前向き・前進する力がる
のどちらかであれば、きっと上手くいくのではないでしょうか。
このほか、「描くことを習慣化するための意外な方法」など、今回はXでたまたま見かけた漫画家の皆さんのためになりそうな投稿をただただ紹介し、考えていく回となっています!
▼今回紹介させていただいた書籍
『20代で得た知見』(著者・F/KADOKAWA)
https://www.kadokawa.co.jp/product/322002000317/
ーー引用ーー
地下アイドルグループを結成して三年目の男の子が知人にいます。彼らは週に何度も何度もステージに立つ。熱狂的なファンがまぎれもなく彼らを生かしている。
そんな彼らに二十代で得た知見ってなんですかと訊ねました。するとそのうちの一人が「いきなりやってくる人は、いきなり去っていく」と答えました。詳しく訊くに、ものすごい愛をいきなりぶつけてくる人はそれが同じ量帰ってこないとわかるとすぐにいなくなる、その度に自分は傷つく、と言うのです。
すると別のメンバーがこのように抗弁する。「全力で愛してるって叫ぶことは、全力で愛してくれって意味だ。つまり自分は愛されて当然だと思ってる。自己愛が超強いってことなんだよ」と、ナイーヴな彼に訥々と語って聞かせました。
ーーー
▼今回紹介させていただいたXの投稿
https://x.com/kiichirosjp/status/1850458050261602728
Nov 8, 2024
39 min

漫画の賞に応募する場合、提出シートにはいろいろ書かなければいけない欄がありますが、「描きたかったテーマは?」「この作品のコンセプトは?」など、改めて問われると思わず悩んでしまうような質問項目も。
一般的にはテーマとは「伝えたいこと」、コンセプトとは「作品の中核となるアイデアや着想」などになりますが、問いに答えようと悩みすぎるのも勿体ないことに……。
そもそも漫画賞は作品を評価するためのコンペですので、テーマもコンセプトも、ざっくりと「どんなことやりたかったのか?」で大丈夫だと思います。
作者であるあなた自身の心の叫びのようなものを書き込み、あとは作品で勝負! 応募はそれで十分ですので、逆にテーマやコンセプトについて、作品構想時にあえてしっかりと考えてみる、みたいな取り組み方もいいかもしれません。
そんな意識してるようでしてない「この作品を説明するなら?」的問題について今回は考えてみました!
Nov 6, 2024
29 min
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