Show notes
「草の実」は、1977年に「また」という題名で発表し、十数年かけて書き直していったものです。永瀬さんは、この作品で、10代の頃から詩を書き続けてきた半生を振り返っています。晩年の永瀬さんは、詩を書いてきたことが、「大きな何者かの計画どおりだった」。つまり何か目にみえない大きな存在に書かされていたのではないかと考えないではいられなかったようです。永瀬さんは、いい詩は暗唱できるとたびたび語っています。それは、心に深く刻み込まれるような言葉で書かれているからです。そのような言葉にたどりつくまで、永瀬さんは、どうしても書いておきたいことを、繰り返し話したり書いたりしています。また、詩として発表したものを詩集に入れるばかりではなく、随筆や短章として発表したものを詩に書き直しています。この「草の実」もそうした詩のひとつです。<文・白根直子>

