人新生の「資本論」を引き続き扱っていきます。
さて、今回は3つのキーワードに沿って中身の解説です。
1.資本主義は勝者無き終わりなき戦い
現在の世界では、たった1%の富裕層が世界全体の4割の個人資産を所有していると言います。
富の偏在と言いますが、一言で言えば、金銭的に豊かになれない人が圧倒的に多いのが資本主義です。
以前の社会では、森や川など、皆で共有できる資産「コモンズ」が潤沢にあったために希少性が生まれず、あえてお金を出して物を買おうとする状況がありませんでした。
そこで資本主義は、「コモンズ」を解体し、意図的に希少性を生み出し、お金がないと暮らすこともできない社会をつくりだした訳です。
すると、お金に換えるものを持たない人々は、都市に出て雇われ、低賃金でお金を稼いで生きていくしかなくなってしまいます。
生きていくためには、資本家と経営者の指示に従って働くしかなく、この状態をマルクスは絶対的貧困と呼んでいます。
このままでは、皆で豊かになる未来は決してやってこない。
そこで考えるべきなのは、脱資本主義、脱成長的な戦略なのではないか、と訴えています。
2.暇と浪費
こうした話を受け、粟野さんはあるラジオで放映された國分功一郎さんと斎藤幸平さんの対談番組を思いだしたそうです。
以前読書の時間でも扱いましたが、國分功一郎さんと言えば「暇と退屈の倫理学」。
意図的な希少性に踊らされて消費させられるのではなく、みずから暇をつくって、しっかりと価値を味わう消費をしましょう、という内容でした。
資本主義に対抗する手段としても、通用するものがありそうです。
また、「リニアモーターカー」や「観光立国」に関する星野リゾートの星野代表の話にも、通ずるものがあったそう。
行き過ぎた資本主義には、あの名経営者ですらも疑念を持っている、と。
ただし、「一社だけで脱成長戦略を採ることはできない」という星野代表の言葉にも感じられるように、世界全体で大きな方針転換がない限りは、現状は変わらないように思えます。
3.ワーカーズコープ・ワーカーズコレクティブ
ワーカーズコープ・ワーカーズコレクティブと呼ばれる、新しい法人格に関する法律「労働者協同組合法」が今年2022年10月から走り始めます。
簡単に言えば、資本家、経営者、労働者という三者の区分けが存在しない法人格のことです。
労働者たち全員が出資をして、経営にも責任を持ちながら働く。
すでにこの形態をとって活動している方々もいるのですが、法整備によりいよいよ本格的な波が起きるのかもしれません。
資本主義の中では、資本家や経営者からの指示によってでしかお金を稼げなかった労働者たち。
この形態を採れば、自分たちで社会に対して仕掛けることがより自然にできるようになるのかもしれません。
もしかすると、お金のためではなく、仕事それ自体の価値のために働くことができるのかもしれない。
さらにもしかすると、これにより持続可能な社会に舵を切れるのかもしれません。
ついついそんな新しい社会への希望を感じてしまう形態です。
自分たちでも一社立ち上げてみたいところですね。
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今回も1時間弱という長いお話になりました。
改めて思うところなのですが、今回の本では「このまま資本主義での発展は続かない」という論を数々の論文を参照して展開している訳です。
世界中にこれだけ、資本主義の描く未来を信じていない人たちがいることに衝撃を受けました。
それでも、ほんの数%の人々の利益のためにこの形態は続いていくのでしょうか。
また皆さんのご意見もお聞かせください。
ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、こちらまでDMをお寄せください。

