アワノトモキの「読書の時間」
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粟野友樹,星野良太,Work-Teller
ep11-2「教育の職業的意義―若者、学校、社会をつなぐ」(本田由紀さん)
46 minutes Posted Apr 5, 2022 at 6:00 am.
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前回に引き続き本田由紀さんの「教育の職業的意義-若者、学校、社会をつなぐ」を扱っていきます。

今回は50分弱のノンストップトーク。

少しお時間に余裕のある際にお聞きください。
前回挙げたキーワードを元に、様々なお話に寄り道しながら、本書の内容を追っていきます。

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●キャリア教育について

一般的には、キャリア教育はいいことだと思われているのではないでしょうか。

ですが、これは悪ではないか、という考え方です。

粟野さん自身もキャリア教育に携わっていた経験を振り返り、また過去勤めていた企業が提供しているキャリア教育プログラムについても触れながら説明していきます。

キャリア教育の中では、いい面やきれいごとを言い過ぎてしまう、という側面があるように思います。

たとえば、ある企業のキャリア教育プログラムの目的に、こんな内容が掲げられています。

・若いうちから働くことの本質に向き合うこと。

・自分だけのパーパスを形づくっていくこと。

もちろん大事なことです。

ですが、こうしたプログラムを受講するのは小中高生。
彼らが今触れている世界との乖離があるように思います。
言わば、現在のキャリア教育には、日常からの地続きの仕事体験が欠けているのでは。

知識偏重のキャリア教育は、夢追い型タイプを生み出す傾向があり、社会的自己実現意識をつよめ過ぎてしまう。

こうしたことが、調査としても確認されているようです。


●自分らしさについて

自分らしさを見つけなければいけないという空気、ありますよね。

特に就活シーンでは多く見られると思います。

そこに対して、少し疑問があります。

唯一無二の自分らしさには、そこまでこだわらなくてもいいのでは?
自分が自分の価値を決めることは、中々に難しいことなのでは?

養老孟子さんはこんな言い方をしているようです。

仏教的な感覚がつよくある日本社会に、西欧的なアイデンティティの考え方が入ってきてしまったことで、衝突が起きているのではないか、と。

また、本田由紀さんが自己分析について社会学的に分析した内容が興味深い。

リクルート社の就職ジャーナルの誌面で、「自己分析」がどう扱われているのかの年度比較ですが、社会の状況の変化に合わせて、自己分析の重さが変化していくのも興味深いところです。

唯一無二の自分探し、意外と大変で苦しいものです。

自己分析という言葉が出始めた頃のように、いっそ、就活用と割り切った自己分析をするのも手かもしれませんね。
また、こういうことを気軽に話せる大人が就活で苦しむ若者の周りにいると、救いになると思います。


●職人について

仕事自体へのコミットメントを大切にすると、憧れに翻弄されずに済むのでは?

という考え方から、職人(クラフツマン)的な価値観についても触れていきます。

参考に、2名の社会学者の考え方を紹介。

リチャード・セネット

貧困家庭で育つものの、チェロの才能を伸ばしプロの音楽家への道を目指す。

しかし、ケガにより社会学者への道を目指すことになる。
人生をかけて音楽家を目指した経験が、社会学者としてのベースにもなっていることから、職人のように一つのことに集中することにより、他のことにも活かせる能力が育まれるのではないか。

ジグムント・バウマン

リキッドモダニティを提唱した著者。

仕事に値札をつけることは、人間の品位を汚すことにつながる。
人間は本来、創造的であり、お金という観点を外すだけで創造性が高まるはず。


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2人とも興味のある分野を扱った今回、普段の3倍くらいの時間話してしまいました。

特にジグムントバウマンの考えについては、我々も収録を通して実感中です。
おススメ。

ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、こちらまでDMをお寄せください。

https://twitter.com/Tomoki_Awano