Show notes
また雨が降っている。季節の変わり目に降る雨は、舞台を切り替える暗転のように、そそくさと、無表情に、機械的に執り行われる。僕の意思など関係ない。僕はただ雨に降られて、足が濡れるだけだ。ぐずぐずと、ぶしゅぶしゅと、気の抜けた音をたてながら歩くしかない。まぁ今日足が濡れたのは、雨のせいではなく、僕が不注意で、のら猫用の水入れを踏んでしまったからなんだけど。でも、そのゴミを代用した水入れは、あまりにも脆く、薄く、あまりにも透明だったし、入っていた水も、あまりにも透明で、光さえ素通りしてしまうほどであった。曇天の空と、石畳に同化した水入れを「くしゃ」と踏み潰し濡れた僕の右足は、弱々しく、それ自体がのら猫そのもののようであった。 ※概要欄を書いていたら変な感じになったのですが、話している内容を違う角度から捉えているので、そのまま掲載します。 【質問・お便りはこちら】[email protected]気軽にメールしてください。

