
感染症ニュースです。今回は赤ちゃんがかかると重症化しやすいRSウイルス感染症についてです。国立感染症研究所によると、患者報告数が九州地方を中心に増加しています。 RSウイルス感染症は、RSウイルスによっておこる呼吸器感染症です。潜伏期間は2日から8日、一般的には4日から6日で発症します。症状は、発熱、咳、鼻水などが数日続きます。多くの場合、軽い症状ですみますが、症状が重くなると咳がひどくなり、呼吸が苦しくなるなどの症状が出ることがあります。RSウイルス感染症は乳幼児に注意してほしい感染症で、特に1歳未満の赤ちゃんが感染すると重症化しやすいです。乳幼児の肺炎の原因のおよそ50%を占めるとの報告もあります。お子さんに発熱や呼吸器症状がみられる場合は、かかりつけ医に相談してください。治療方法は、特別な薬は無いため、症状を和らげる対症療法が中心となります。 大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、今年のRSウイルス感染症の患者報告数は、昨年同様に九州地方から患者が増え始め、西日本にひろがり、全国的な流行となる可能性があるといいます。予防として流水・石鹸による手洗い、またはアルコール製剤での手指の消毒、うがい、咳エチケットなどがあげられます。咳などの呼吸器症状がある場合は、飛まつ感染の予防として、マスクを着用して子どもに接しましょう。接触感染の対策としては、子どもたちが手を触れるおもちゃ、手すり等はこまめにアルコールや塩素系の消毒剤等で拭き取り消毒する事も有効な予防方法です。
Feb 4, 2022

感染症ニュースです。今回は高熱やのどの痛み、結膜えんが主な症状の咽頭結膜熱です。国立感染症研究所によると、咽頭結膜熱の患者報告数は第43週以降、増加が続いています。咽頭結膜熱は夏と冬の2回、流行がみられる感染症です。冬は、特に12月に流行がみられます。感染経路は、主に接触感染と飛まつ感染です。原因となるウイルスは、アデノウイルスで感染力は強力です。直接的な接触だけでなく、タオル、ドアの取っ手、階段やエスカレーターの手すり、エレベーターのボタン等、不特定多数の人が触るものからの間接的な接触でも、感染が広がります。症状は、38度から39度の発熱、のどの痛み、結膜えんです。発熱は5日間ほど続くことがあります。眼の症状は片方から始まり、その後、もう一方に症状があらわれます。高熱が続くことから、新型コロナウイルス感染症とも間違えやすい症状です。吐き気や強い頭痛、せきが激しい時は早めに医療機関に相談してください。治療方法については、特別な治療方法はありませんので、対症療法が中心となります。大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、寒くなるにつれて、患者報告数は増え始めています。基本の予防方法は、流水と石鹸による手洗いです。また、飛まつ感染の予防として、マスクを着用しましょう。家庭内や施設で流行している時には、よく手を触れるものを次亜塩素酸ナトリウム系の消毒剤で、拭き取り消毒することも有効な予防方法です。
Dec 24, 2021

感染症ニュースです。今回は「感染性胃腸炎」についてです。国立感染症研究所によると、感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43週以降、増加が続いています。都道府県別の報告数が多い順は、福岡県、埼玉県、熊本県です。感染性胃腸炎は、細菌またはウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。特に冬季は、ノロウイルスが原因とされる集団感染が多く発生しています。 ノロウイルス感染症の主な症状は、吐き気、嘔吐および下痢です。通常は便に血液は混じりません。子どもは嘔吐が多く、嘔吐・下痢は一日数回からひどい時には10回以上の時もあります。感染してから発病するまでの潜伏期間は1~2日で、他の感染症と比較すると短い方です。症状の持続する期間も、数時間~数日と比較的短い期間です。既に他の病気があったり、大きく体力が低下している等がなければ、重症化して長い間入院しなければならないことはまずありません。 大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、12月は、さらに感染性胃腸炎の報告が増えると予想されます。この時期の保育園等では、乳幼児を中心に、ノロウイルスが原因とされる集団感染が発生する可能性もあると注意を呼びかけています。去年はノロウイルス感染症は流行していなかったため、感染者数は、確実に多くなると考えられます。ノロウイルスにアルコール消毒は、効果的ではないため、塩素系の消毒剤でしっかりと消毒することなど、基本的な感染対策を確認し、徹底しましょう。 ノロウイルス感染症にかかった人を看病するときは、嘔吐や下痢が続いて、脱水症状になってしまう可能性があります。できるだけこまめに水分を与えましょう。ごくまれに嘔吐した物を喉に詰めて、窒息することがありますので注意してください。特に小さなお子さんや高齢者の場合、あお向けではなく横を向いて寝かせるようにしましょう。
Dec 15, 2021

新型コロナワクチンの国内での接種が進んでいます。11月19日時点での2回接種率は、75.8%となっており、満12歳以上が接種対象となっています。気になるのが、対象年齢に満たない子どもへの接種についてです。 11月15日に開かれた、国の厚生科学審議会では、5歳~11歳へのコロナワクチン接種対象拡大について、海外の例も取り上げながら、審議されました。アメリカでは10月29日に、5歳から11歳の子どもへの接種に対して、ファイザー社ワクチンの緊急使用許可が承認されました。日本においても、11月10日にファイザー社ワクチンの薬事申請が行われています。審議会に参加した専門家の意見では、「アメリカの感染率と日本の感染率は違う」という意見や、「予防の観点からは選択肢としてあったほうが良い」などの意見も出されました。 お子さんをお持ちの方は、子どもがコロナワクチンを接種すべきか、気になることと思います。この疑問について、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は、学校などの集団感染が容易に起こりやすい場所では、接種しておいたほうが安心できるとしています。家庭内や地域での感染は、子どもが流行の発端になる可能性もあるためです。また、集団の中には、基礎疾患をもっている方がいる可能性も否定できないとした上で、周囲が接種することにより、ワクチンを打てない人を守ることも大切と述べています。 一方で、ワクチンを子どもに接種するのをためらう方も、いらっしゃると思います。安井医師は、「子ども一人一人の接種によるメリットは大人ほどではない。入院予防効果、重症化予防効果などは、高齢者などに比べると、子どもは重症化するおそれが低く、メリットがうすいと考えられるためです。しかし、子どものワクチン接種は、社会全体を流行から守り、集団免疫をつけるためにも必要ではないか」としています。お子さんへの接種は、個人のメリットと地域社会などへのメリットを考える必要がありそうです。接種をどうするか、お子さんも含めた家族で考えてみてはいかがでしょうか。
Nov 22, 2021

感染症ニュースです。今回は「季節性インフルエンザ」についてお伝えします。 季節性インフルエンザワクチンの予防接種が各地ではじまっています。毎年、ワクチンの接種が行われていますが、どんな理由があるのでしょうか。この疑問に、感染症専門医で、大阪府済生会中津病院に勤務する、安井良則先生は、「ワクチンを毎年打つ理由ですが、インフルエンザウイルスは常に同じ型が流行するわけではありません。ウイルスは、常に変化を続けており、以前に接種したワクチンの免疫では、発症を防ぎきれない可能性があります。ワクチンもウイルスの変化に合わせてアップデートしていかなければなりません。」としています。 一方、接種して感染する場合もありますが、ワクチンの効果はあるのでしょうか?という疑問もあります。これに対し、安井医師は「ワクチンの抗体価は、およそ5か月で低下することも毎年打つ理由のひとつです。 日本でのインフルエンザ流行時期は、例年12月から3月ですので、流行に備えて各医療機関では10月くらいから接種を開始しています。流行が始まる12月までに接種し、ワクチンが効くようにしておくことが大切です。基本的にインフルエンザワクチンは感染を予防するワクチンではなく、発症を抑えるワクチンです。発症した場合には、重症化を防ぐ役割もあります。ワクチンを接種したから何もしなくても大丈夫というわけではないので、うがいや手洗いの励行、マスクの着用や、流行時には人混みを避けるなど、基本的な感染対策が大切です。」と、注意を呼びかけています。 昨シーズンにインフルエンザの流行がみられなかったため、まだインフルエンザに一度もかかったことのないお子さんは、免疫がないと考えられます。初めてかかった時に、インフルエンザ脳症など重症化のおそれもありますので、流行前にワクチンを接種し、免疫をつけておくことをおすすめします。
Nov 8, 2021
